年に一度の上架は嵐の中で
朝からの暴風雨。こんなきつい風の中で、ヨットを釣り上げることは可能なのだろうか、と心配しつつ新西宮ヨットハーバーに向かう。駐車場からハーバーホールに向かう僅かの間にも濡れまくり。
いつもならオーナーの号令のもと作業に着くのだが、今日はオーナー不在。ベテランクルーの通称「提督」、H氏の指示のもとで、ポンツーン移動、上架回航を午前に予定。強風のもとでポンツーン移動も難行苦行であったが、こちらはなんとか一件落着。
準備万端相整い、いざドックの方に回航とスタンバイしたタイミングでドックからの携帯が鳴る。風速15メートルで注意報が出ているので、風邪が収まるまで上架は延期。それでも30分ほどのロスタイムで移動となる。クレーンに釣ったままで、スクレーパーでの貝殻落としに小一時間。
昼食の後は、選定塗料剥がしとプロペラの貝殻落としと研磨。例年はオーナーが自ら担当するが、今日はその役を引き受ける。
曲面の金属面を回転グラインダーで研磨するのは、気を抜けない作業である。写真では居眠むっているようだが、たまたまのまばたきの一瞬である。ちょっとしたコツがいるが、やりだすと嵌りそう。オーナーが無口で集中しておられた心情がよく理解できた。
出来上がりはピッカピカで気持ちがいい。これで、エンジンの回転がスムーズに上がってくれればうれしい限りである。
Photo by Kimura Papa & ひーやんさん