2015年10月11日(日)晴
2001年に初めて神戸ジャズストリートを知ってからしばらくは毎年行っていた。田中りかちゃんを見初めたのも最初のジャズストでデイバイデイに立ち寄った時だった。
それから14年。途中から前夜祭にも参加するようになり、各国からのアーティストも顔と名前がわかるようになってきていたが、この三年ほど前夜祭も本番もご無沙汰していた。
今年は前夜祭も都合がつき、きょう日曜は何とか時間を設けて本番ジャズストを楽しむ。最初はソネ。12時半にお店に着くと辛うじて入店はできたが、入り口ドアから前に進めない。ステージは北村英治(Cl)率いるベテランカルテット。見えなくても音楽は十分聴ける。 午後1時からの枠は、入れ替えのお客さんの隙に乗じて席を確保し、次のユニットを迎える。イタリアからパオロ・アルデリッギ(p)、フランスからマロ・マズリエ(tp)、ドイツからコーズ・シュワガーマン(tp)、アメリカからブルックス・テグラー(dr)、日本から佐久間和(g)、小林真人(b)。今年の神戸ジャズストを象徴する豪華キャスト。70年前の敵味方の国が入り乱れての混成ユニットと考えると感無量。
ピアノのパオロ。十数年前に若いパオロがこのソネで小川理子さんと二台のスタンウェイピアノでデュオした光景が蘇る。
午後2時からは、神戸クラブ。モンデュという若手日本人のジプシージャズ。金曜日の前夜祭にも出ていたが、今日はヴァイオリニストが代わり土井美佳さん。ローゼンバーグトリオを彷彿させる演奏は素晴らしい。
土井美佳さんは大阪音大のクラシックヴァイオリンからこのユニットに加わったらしい。チャルダッシュも演奏され、胸がジーンとくる。昨夜のクラシックヴァイオリンも良かったがこれもいい。
午後3時からのステージは、パオロ・アルデリッギ(p)を迎えての鈴木直樹(cl)と青木研(bjo)のトリオ。常に笑顔の青木さんがトークも含め、バンジョーで津軽三味線まで弾いて拍手喝さい。パオロもよく頑張っていた。
終わってからサインをもらって記念写真。
金曜日はあまり思わなかったが、パオロもこうしてみると結婚もして貫禄も出てきている。最終の午後4時からのステージは、すぐ下の北野工房へ。4時前のギリギリに入るが、尿意があったので二階のトイレに入るとまたまたパオロに会い、連れションとなる。ご縁のある一日だった。
5時には今年の神戸ジャズストリートはすべてお開きとなる。途中、モスリム寺院を通りかかり、あらためて神戸の山本通や北野坂界隈の情緒を味わう。
大好きな友達がたくさんいることや街角のそこかしらに思い出が詰まっていることもあるが、やはり神戸はモダンで、おしゃれで、気さくで一番好きな街であることは違いない。友の顔、交わした言葉、ミュージシャンの顔、旋律の思い出を噛みしめながら三宮駅を後にする。