ようやく雨が降るのはいいが、多難な日帰り東京出張
6月7日の梅雨入り宣言以来雨は降っていなかったが、ようやく梅雨らしい雨が降る。撮りたかった水滴を携えたアガパンサスの写真を撮ることができた。
指定席はE席。今日は雨、又は曇なので富士山を拝むことはできそうもない。新横浜から乗り込むと、隣は妙齢ではあるが、気品のあるご婦人。ラッキーとは思うが、お話をする勇気というか動機はない。このような場合、どうするのがいいのか思考が混乱する。名古屋を過ぎて空が少し明るくなってきた。TZ90のレンズを向ける。
声を掛けて、「冷房が効きすぎているようですので、よろしければジャケットを羽織りますか?」とセリフは用意したが、断られると気まずい雰囲気になりそうだし、無理やりOKさせることになった場合も、いかがなものかと逡巡して結局何もできなかった。
昼間の静岡県の大雨で15分程度の遅れが出ていたが、京都駅に着き、車内アナウンスで「神戸の停電の影響で安全確認をしてから発車となります。」とのこと。直感的にこれは相当遅れそうだと思い、在来線に乗ることを決意。
その時点で、隣のご婦人に声を掛ける決意ができ、「雨で遅れ、停電でまた停車とは今日は踏んだり蹴ったりですね。」と初めて言葉を交わす。案の定知性的な上品な女性だった。こんなことならもっと早く勇気を出して声を掛けて、ジャケットをお貸しするべきだったと思う。
どちらまでと尋ねると、新大阪までとのこと。「すぐに発車するかもしれないけど一度止まると安全確認に時間がかかる可能性があるので、僕は京都から新快速に乗り換えます。」と宣言して下車する。「お気をつけて」と声を掛けられて在来線に向かった。
結果としては高槻界隈で架線が断線して、復旧目処が深夜までたたなかったようだ。あのご婦人はどの時点で在来線に移られたのか。もっと早くコミュニケーションをとっておれば、一緒に在来線に早く移行できたものと思われる。新幹線同席コミュニケーションのあり方について考えさせられた旅だった。皆さんはどうしておられるのだろうと思う。