苦しみのヨットスクール
以前に申し込んでいた西宮ヨットハーバーでのヨット教室初級コースの第一回目である。ヨットのクルーとしての仕事は多くて、とても覚えきれない。基礎から教えてもらえそうとのことで、教室の門を叩く。
同好の士3名と体験見学コースの人が一人。簡単な机上学習とロープワークからスタート。ロープワークはまたまた免許試験の時とは異なる実戦用に戸惑う。例えば、クリークヒッチという係留時の結び方。試験の時は、「ロープは常に右から回して右回り」と教え込まれていたのだが、実戦では「ロープは遠い方からまわすこと」ということになり、右から回すか左から回すかは確立50%。やってみると左回しの時は、確実にもたつく。
その他、使い終わったロープのコイリングという片付け方は、要領を押さえてしっかりと教えてもらうと助かる。単に体裁を整えるために束ねるのではなく、ロープに生じた撚りをほぐしながらコイル状に巻いていき、次に使うときにもたつかないようにするためとのこと。なるほど、と作業のコツを飲み込みやすくなる。
ティラー(舵)とメインシート(メインの帆のコントロールをするロープ)を三人で交代しながら担当する。帆に風がどうはらんだときが効率よくセールするか何となく感触的にわかる。しかし、ちょっと気を許すと変な動きになり、押していいのか引いていいのか、咄嗟にわからなくなる。まあ、インストラクターの方も言っておられたが、「習うより慣れろ」とのこと。
風が強くて波も高いのでよくスピードに乗る。この練習艇は、軽快で感度がいいらしい。従って、こまめに舵の調整をしないとスムーズに進まないようにできているらしい。練習にはなるのだが、舵を握っている間は余裕がない。風上に向かって走っているときは、一定の傾き(ヒール角)を保って、力強く走るので揺れも少なく快適なのだが、追い風になるとスピードも落ちるし、船体に横揺れ(ローリング)入り、船酔いしてくる。
もう何年も船酔いの経験はなかったが、久しぶりに相当気分悪くなる。午前中は何とかもったが、午後の終わり頃はどうにもならず、すっかり戻してしまう。胃の中が空っぽになるとスッキリして後の作業には障りはなかったが、陸に上がってからも気分が優れない。まさかの船酔いの苦しみを味わってしまった。
さすがにリュックに入れていたコンデジを取りに行く元気もなかったが、携帯で六甲アイランド方面を一枚のみチンチロリーンと撮るのが精一杯であった。