とうとう娘の結婚式
いよいよ娘の結婚式の日がやってきた。このところ準備で忙しいとのことで、殆ど家には戻ってきていない娘ではあるが、さすがに昨夜には戻ってきて、今日は家から式場に向かう。息子は長浜から直行なので仕方がないが、こうして親子三人揃って駅まで歩き、電車で心斎橋に向かうような状況は何年振りのことか。
余裕で会場に到着し、頃合いを見てモーニングに着替える。いつもと違うネクタイ、燕尾服を着るとだんだん実感が湧いてくる。
バージンロードリハーサルを係の女性からやってもらう。大して難しいことはなにもないのだが、動作を何度も反芻する。やがて、式の時刻となり、見違えるようなウェディングドレス姿の娘がやってくる。想像していた以上にいいものである。
式場の扉が開いて、バージンロードを進むとそこは一斉のカメラや携帯のレンズがこちらに向いている。係の人に言われたとおり、にやけないように注意して少し上のターゲットを見つめてバージンロードを歩む。そして新郎に引渡して本日の最重要ロールを終了する。
あとは気楽で、式のあとは写真撮影、披露宴に流れ、リラックスモード。カメラも引っ張り出して撮影も楽しむ。なんといっても、娘の高校時代や大学時代の友人達が沢山来ていて、「その節はお父さんのパスタをご馳走になりました」とか「お好み焼きパーティありがとうございました。」、「イカナゴの釘煮美味しかったです。」とか「ジャコビニ流星群見学ありがとうございました」とか言われるのは嬉しい。
当時は賑やかな女子高生集団だった彼女達が、今やチャーミングな27歳になっていて、当時とは比較にならない落ち着きと大人あしらいを身につけているのに感動する。
娘の結婚式というのは、もちろん新郎新婦が主役であるが、準主役は花嫁の父であることを実感した。両家代表の挨拶は、新郎の父がやってくれるので、こちらは全くのいいとこどり。人生の中で最高に幸せな一日のひとつを満喫することができたようだ。
大丈夫だろうと思っていた涙は、やはり最後の花束贈呈のところで
ウルウルッと来ましたが、ハンカチでぬぐうのも癪なので垂れ流し
ました。
まあ、ほっとした気分とか哀しさとかもありましたが、子供だ子供だと
思っていた娘が、大人になったのかなという不思議な感慨のような
気持ちを覚えました。
喜び事はいいですね。
ホッとしてちょっと気が抜け気味です。
それと、例えばお父さんを亡くしてしまわれた部下や後輩女子
から代役を頼まれる可能性もありますよ。或いはお父さんが
極端にシャイな方で、「バージンロードだけは絶対歩かない
という人も稀にいるようです。私の家内の父が後者に当たり、
媒酌人を務めてくださった会社の私の上司が代わりに歩いて
くれました。ご本人にはきっといい予行演習になったのでは
と思われます。